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高森明勅
2014.5.5 07:34

メールアドレスtakeda氏からの反論?

私の5月4日のブログは、小林よしのりさんからお褒め頂いた。

一方、takeda tuneyasuと名乗る人物から
「反論」があった(
メールアドレスもtakeda@…)。

わざわざ取り上げるには及ばない幼稚な内容だ。

でもせっかく竹田恒泰氏と、
姓名の訓み方が同じのtakeda様からご連絡を頂いたので、
簡単に紹介しよう。

反論は2点。

1つは「旧皇族」について。

テレビや雑誌で肩書きとして使用されたのは、
演出上先方が勝手に」使ったので
自ら旧皇族と名乗ったことはありません」という。

ここで興味深いのは、
takeda tuneyasu氏が
“竹田恒泰氏が決して旧皇族ではない”
ことを、
きちんと承知している、ということ。

さすがに「いや、旧皇族だ!」と
言い張るような頓馬なマネはしていない。

竹田氏を旧皇族扱いすることは明白な虚偽だ―と分かっている。

だからこそ、こんな苦しい言い逃れを考え出したのだろう。

しかし、テレビに出演する場合でも、雑誌に登場する場合でも、
本人に何の断りも無しに虚偽の肩書きを「勝手に」使うなんてことは、
あり得ない。

予め本人が、そうした虚偽の「演出」に同意していたと見るしかない。

万が一、1度でも無断でそんなことをされたら、
自分が詐欺の片棒を担ぐことになる!」と
厳重に抗議し、
訂正させるべきだ。

しかし、竹田氏がそうした抗議をした形跡はない。

それどころか『旧皇族が語る天皇の日本史』という書名の本まで、
堂々と出している。

これで「自ら…名乗ったことはありません」と言っても、
誰も相手にしないだろう。

しかも彼はこれまで、
自ら”「旧皇族といわれる11宮家の子孫」とか、
旧11宮家の子孫を『旧皇族』という」などと、
旧皇族に自分も含まれ得るように、
無理やり概念の不当な拡大を行ってきた前歴がある。

今さら旧皇族を「名乗ったことはありません」と言っても、
通用しない。

竹田氏が旧皇族ではないことを十分、分かっている
takeda氏は、
何よりも竹田氏自身の名誉の為に、
詐欺まがいの行為をたしなめてやってはどうか。

2つ目は「明治天皇の玄孫」について。

先のブログで私は、
竹田氏は最も頑固な男系絶対主義者のはずなのに、
肩書きを明治天皇と結びつけたいばかりに、
内親王の血筋(
つまり女系)によって、
その玄孫と名乗っている事実を取り上げた。

“明治天皇の玄孫”というのは、あくまで「女系」でのことなので、
普段言っていることと、
まるでツジツマが合わないからだ。

これに対してtakeda氏は、次のように反論する。

内親王の「旦那さん(竹田宮恒久王)は男系でしょ。

その夫婦の孫が竹田恒泰なわけですから『女系だ』はおかしい」
男系の誤りではないですか」と。

短い文章の中に、いくつも混乱が見られる。

例えばtakeda氏は、
あたかも「旦那さん」だけが“男系”のような言い方をしているが、
昌子内親王も明治天皇の皇女だから当然、男系だ。

しかし1番の焦点は、
竹田氏がこれまで“竹田宮恒久王の曾孫(「
孫」ではない)”という
「男系」の肩書きを使わずに、
彼の平素の意見では全く無価値なはずの「女系」であっても、
彼にとって“営業の看板”として利用価値が遥かに高いと判断される、
「明治天皇の玄孫」
という肩書きを、専ら使って来たという事実だ。

竹田氏が「明治天皇の玄孫」を名乗り続ける限り、
彼は女系で自らのアイデンティティーを提示していることになる。

これも、男系を重んじているらしいtakeda氏から、
今後は“
女系の肩書き”に後生大事にしがみつくのではなく、
たとえ営業上の利用価値がなくても(!)、
男系の「竹田宮恒久王の曾孫」という肩書きを使うように、
親切に忠告してはどうか。

どこのどなたか知らないが、takeda氏のお蔭で、
竹田氏の奇妙さが一段と浮き彫りになったようだ。

感謝。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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